英語学習の秘訣と総合学習のススメ
英語学習を楽しもう!
講師 田中朝治
「英語はきらい」「英語はむずかしい」「英語は苦手」 or 「英語はたのしい」「英語がわかる」「英語が得意」 |
中学生のとき、素晴らしい英語の先生に出会った。 今から50年ほど前のことだ。
当時の英語の教科書は、This is a pen. I have a book.からスタートする。
その当時、ネイティブのような英語を話す先生は少なかった。
定年前の日本人の先生だったが、発音や英語のリズムにうるさかった。
先生はどこでこんな英語を身につけたんだろうと思った。
ここではY先生としておこう。
Y先生は厳しかった。
Y先生は、中学2年生の英語の授業で、毎回次のような対話を生徒に「強要する」のだ。
少し再現してみよう。
4月の最初の英語のクラス。 授業開始のチャイムが鳴る。 ドアが開く。 Y先生が入室する。 Y先生が教壇に立つ。 開口一番、
Y先生 : Good morning, boys and girls. クラス全員:「・・・・・」 Y先生 : Come on! Say, “Good morning, Mr. Y.” クラス全員:Good morning, Mr. Y. Y先生 : Good! How are you today? クラス全員:「・・・・・」 Y先生 : Come on! Say, “I’m fine, thank you. And you?” クラス全員:I’m fine, thank you. And you?
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この様にして英語の返事を毎回「強要」されていく。
これを毎回繰り返すのだ。
そのうち、クラスの全員が次のような対話を丸暗記してしまう。
Y先生 : Good morning, boys and girls. クラス全員:Good morning, Mr. Y. Y先生 : Good! How are you today? クラス全員:I’m fine, thank you. And you? Y先生 : I’m fine, too, thank you. By the way, what day of the month is it today? クラス全員:It’s April 15th, Mr. Y. Y先生 : Yes, It’s April 15th . (と言って板書する。) And what day of the week is it today? クラス全員:It’s Thursday, Mr. Y. Y先生 : Good! It’s Thursday.(と言って板書する。) Now, I’m going to call the roll. Oh, what shall I do? I’ve no pencil with me. 生徒A : Mr. Y, shall I lend you my pencil? Y先生 : Oh, It’s very kind of you. Thank you very much. 生徒A : You’re welcome, Mr. Y. Y先生 : Abe-kun? 安倍君 : Yes. Y先生 : Ishida-kun? 石田君 : Here. Y先生 : Ito-kun? ある生徒 : He is absent. Y先生 : Oh, is he? |
こんな風に出席を取って授業が始まる。
今ではごく普通のことかもしれない。
しかし何せ50年前のことだから。
この話のスゴイところは、20年後の中学の同窓会に集まったクラスメート全員が、20年たってもなおこの対話を暗誦できたことだ。
若いうちに脳に刻まれた、いや肌に染み込んだフレーズは、一生ものなのだ。
今は英語を楽しく、効果的に学ぶチャンスはどこにでもある。
英語を好きになるか、嫌いになるかは、ちょっとしたきっかけによるのだ。
そして、そのきっかけを早く見つけた者が、英語を楽しめるのだ。
分かる英語にするための集中学習と、肌に染み込ませるための日常学習がそのきっかけを作ってくれるのだ。
英語学習の秘訣と総合学習のススメ |
・ 早い段階で英語のしくみを学び、基本をしっかり身につける。 ・ 英語は五感をフル活用して体にしみ込ませる。 ・ ネイティブ音声の伴わない英語学習では使える英語は身につかない。 ・ 早い時期に正確な発音を身につける。 ・ 発音が良いとスピーキングだけでなく、リスニングも上達する。 ・ 単語は日本語で意味を覚えるのではなく、イメージ化して体にしみ込ませる。 ・ 出会った単語や表現は身近な話題を材料に自分で使ってみる。 ・ 英単語を身につけることは人との出会いと同じだ。「人を良く知ることができる」のは、その人と良く出会うからだ。その人の情報を様々な出会いの場で知るからだ。 英単語も同じだ。英単語の定着度は、出会った回数と出会った場面の濃密さに比例する。 ・音読、特に高速音読が英語の流暢さ(Fluency)を高めてくれる。 ・長文読解の速読が英語を英語のまま理解させてくれる。 ・英語を難しく感じるのは、英語に接する機会が少ないからだ。
がむしゃらに英語を求めよう。 |